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戦国ラブドール
第5章 壊れたドール
「ちっ、何もないならないと早く言え。連れてきて損をした」
「ふぅん……薬があるかないかも分からないのに、心配のあまり突撃したんだ。優しいね佐吉」
「な、なんでそんな解釈をする! この女があからさまに痣を見せつけるような真似をするから悪いんだ!」
「そんなに酷い痣じゃないし、きちんと見てなきゃ気付かないと思うけど。佐吉みたいなのが心配しないように、布でも巻いておこうか?」
すると吉継は棚から包帯を出してきて、手際良く巻いていく。そして巻いた上から唇を落とすと、大海に笑いかけた。
「早く治るように、おまじない掛けといたから」
「え……あ、ありがとう……?」
「ああ、そういえば掛けると言えば、戦場で怪我人が出た時は傷に小便を掛けるけど、それも望むなら――」
吉継が下半身に手を伸ばせば、佐吉が鬼のように睨み吉継の首根を掴む。
「下らない冗談を言っている暇があるなら、早く囲碁の続きをするぞ!」
「えー? だって、後は佐吉が参ったって言うだけでしょ。どれだけ考えたって打つ手なんかないんだから、もう諦めなよ」