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戦国ラブドール
第6章 讒言
しかしその方法は、あまりに残酷だ。身内が犯される現場など、想像すれば誰でも寒気が走る。直接見て、その一端を担ってしまったなら、自害も厭わないだろう。
「とはいえ私達へ何も言わず出て行ったという事は、秀吉様は彼女をご自分で囲うつもりはないんでしょう。まあ、彼女はあの背丈ですからね。秀吉様は日頃自分が小柄なのを気にしていらっしゃいますし、あまり側には置きたくないのでしょうが……」
行長も抱く気分は同じなのだろう、歯切れが悪い。吉継もまた言葉が出せず、大海が抱えた闇の深さに胸を痛めていた。
「気にするな、と言ってしまえば、この話は終わりです。彼女を秀吉様のお手つきと考える必要はないでしょうし、痣だってすぐ消えます。そもそも彼女を譲渡された私達が、何を思っても慰めにはならんでしょう」
「――でも、僕には見えるんだ。彼女の、本来の姿。こんなところに縛られてなきゃ、きっと彼女は快活で、笑顔の絶えない娘だったはずだ。その命が溢れる姿を縛って押さえつけていると思うと、苦しい。そんな姿を見て、皆彼女を美しいと思ったはずなのに……」