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戦国ラブドール
第6章 讒言
「侍女の子と、友達になったのかい?」
「ううん、すごく綺麗だけど、男の人よ。武士だけど大人の男らしい落ち着いた雰囲気だから、怖くないの。あ、あと、ちょっと体が弱いみたい」
よほど興奮しているのか、小夜は黄色い声を上げて説明していく。謝る機会を失いどう切り出すか悩んでいると、小夜は不意に表情を曇らせた。
「……お姉ちゃん、ごめんなさい」
「小夜……どうして小夜が謝るのさ、あんたは何もしてないのに」
「ううん、わたし……いつも泣いてるばかりで、お姉ちゃんの足を引っ張ってる。昨日も、秀吉様に言われるままお姉ちゃんを縛って、あんな事まで……」
小夜は、包帯の巻かれた大海の手首を握る。隠れた痕を見つめる瞳は重く沈んでいるが、決して涙に濡れてはいなかった。
「違う、小夜が悪いなんてあるもんか。小夜を守らなきゃいけないのに、何も出来ないあたしが責められなきゃいけないんだ。ましてや昨日は、あたし……怖くて、早く終わりたいって、そればっかり考えてた」
「お姉ちゃんは悪くない! 怖いのなんて当然じゃない、わたしだって怖くて、頭がおかしくなってたもん!」