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戦国ラブドール
第6章 讒言
 
「なるべく内密に進めたかったんだ、仕方ねぇだろ。しかし自分から出てきてくれて助かったぜ、どうやってお前だけさらおうか、悩んでたところだったからな」

「あんたは、子飼い……じゃ、なさそうだね。あたしだけさらって、何をするつもりだ」

「とある筋から、情報が入った。『二喬』を名乗る二人の姉妹は、城の規律を乱し混乱を呼ぶ妖婦だと。それが真実であれば、この城に置いておく訳にはいかない。そこで、俺が確かめに来た、って訳だ」

「はあ? どこの誰がそんな事――」

 反射で答えそうになってから、大海はふと気付く。真実ならば、城には置けない。どこの誰が讒言したかはともかく、勘違いしたままの方が好都合だと。

「……で、あたし達が妖婦だって、どうやって確認するんだい? はいそうですと、簡単に答えるとでも?」

「どうせ口で聞いても、ごちゃごちゃごまかすだろう? お前が正義が悪かは、お前の体が知っているはずだ」

 言うと同時に、大海へのしかかってくる大柄な体。肩を掴まれ、大海はぴくりと肩を震わせる。

「抱き合って、俺がお前に溺れたらお前は妖婦だ。だがお前が俺に溺れるような素人なら、お前は無実だ」
 
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