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戦国ラブドール
第6章 讒言
「お前達姉妹が妖婦だと秀長様の耳に入れたのは、間違いなく佐吉だ。あいつには気を付けな」
高虎は大海の頭に手を乗せ忠告するが、大海には一つ佐吉の行動の意味に心当たりがあった。昨日の別れ際に呟いた『無責任な発言をした覚えは毛頭ない』という言葉である。
(もしかして、あたし達が城から追い出されるようにわざと讒言を……?)
だが本人に確認しなければ、それは想像でしかない。大海が思考に浸っていると、高虎は大海に乗せた手で頭を小突いた。
「そう悩むな、お前が妖婦じゃないのは分かってる。秀長様にもその旨を報告してやるから」
「え……そ、そんな簡単に判断していいのかい? あたしが溺れた振りをしてたって可能性もあるだろ」
「それはないな。だってお前、口吸いも尺八も下手くそだ」
「そ、それだって演技かもしれないじゃないか!」
「いや、男を知っていてわざと外す動きと、ただ慣れていないだけの動きは全然違うものだ。初めの口吸いから俺はそうだと判断した」
「は、初めから!? ちょっと待て、じゃあその時点で止めりゃよかっただろ! それじゃ、あたしは何のために抱かれたか分かんないじゃないか!」