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戦国ラブドール
第2章 狂宴
「本当にこんな美人さん、もらって構わんのですか? そりゃもう有り難いお話ですが、後から返せ言われても、一度傷物にしまったものを新品では返せませんよ?」
行長は三人の中では最も細身で、武士というよりは文官といった出で立ちだった。しかし細くとも体はしっかりと男で、密着する体は、小夜のように柔らかくはない。また、その言葉には西の訛りの響きが僅かに滲んでいる。能登暮らしの大海にとって、行長は新鮮な存在だった。
「一度人にやったもんを、後から返せなんてさもしい言い方はせんよ。その代わり、皆で大事に使って、少しは仲良くなりなさい」
秀吉も小夜を抱いて立ち上がると、武士達に呼び掛ける。
「さて、拙者もお楽しみと参ろう。皆、後は好きにするが良い」
それは、さらなる放蕩の宣言であった。秀吉は小夜を連れて退室するが、大部屋はさらに賑わう。女達は着物をはだけさせ、残った武士は我先にとそこへ飛びついた。
「信じられない……」
人前で素肌を晒す事が、まず大海には考えがたい羞恥であった。だが男女は素肌を重ね、周囲を気にせずまぐわっていく。乱痴気騒ぎもここまで来ると、ただの乱交であった。