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戦国ラブドール
第8章 紅天狗(べにてんぐ)
「はいはい、今日は仲良く仲良く。お小夜ちゃん、さっそくごめんね。嫌な事があったら、すぐお姉さんか僕に言うんだよ」
「はい、大谷さん」
三人への反応とは打って変わって、小夜は顔を赤らめ頷く。納得出来ない三人の目線が集まると、吉継はさらりと言い放った。
「文句があるなら、僕より美しくなってから言おうか」
余裕のある瞳にかかる、長いまつげ。すらりと通った鼻は高く、整っている。男らしく頼りがいがある、という訳ではないが、吉継が線の細い美丈夫である事は確か。文句は言えず、愚痴をこぼすしか出来なかった。
「くそ、あいつ腹立つ……」
すると今まで静観していた高虎が、溜め息を漏らし首を横に振る。
「まったく、まだ城から一歩も出てないってのに、お前ら本当に大丈夫なのか? まあ、俺としてはお前らが仲違いしてくれた方が好都合だがな」
そして高虎は大海の腕を掴むと、自分の元に引き寄せ腰を抱く。
「お前は今日もいい面構えだな。どうせこいつらが仲良くなんて不可能だ。今すぐ解散して、俺と楽しまないか?」
腰に回った手が下へ落ち、小振りな丸みへと伸びる。大海が肩を震わせれば、今まで怯えていた小夜が高虎を突き飛ばした。