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戦国ラブドール
第11章 苛立ちの半兵衛
「半兵衛さん、え……あの、お姉ちゃんが怖い人に連れていかれて、わたし」
小夜は混乱した頭で喋るが、男は何も答えない。そして空き部屋に入ると、小夜を床へ寝かせ帯に手をかけた。
「え? 待って、お姉ちゃんが――」
うろたえる小夜の唇に、男の人差し指が当てられる。思わず小夜が口を閉じれば、指は首筋を伝い、着物の隙間から胸へと潜り込んだ。
小夜の小さな尖りを摘み、男はそれを転がす。明らかに友の域を越えた行為に、小夜はますます混乱してしまう。
だが、同時に体の奥から沸いてくる、女の本能。秀吉が長浜を離れて以来、男が触れる事のなかった素肌。若い体は、簡単に火がついてしまう。
「あ、や……は、半兵衛さ、ぁんっ!」
秀吉のお手つきである小夜に手を出すのは、あまりに危険な行為である。だが、それが心を許した相手ならば、目が眩む。なぜ今、性急に小夜を求めるのか。抱く疑問は、靄の中に隠れてしまった。
目を閉じれば、肌が研ぎ澄まされる。息を吸えば、半兵衛らしい甘い香りが小夜の肺に染み渡る。いつしか小夜の心に、姉の存在は消えていた。