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戦国ラブドール
第11章 苛立ちの半兵衛
佐吉は大海を跪かせると、腰を突き出す。
「どうした、出来ないのか? 無理だと言うのなら、今すぐ城から出ていけ」
膝を土に付け、性奴と侮辱され蔑まれた目を向けられる。だが大海は、それを憎む気持ちなど微塵もない。顔を上げ佐吉を見上げると、微笑んだ。
「本当、あんたって不器用だね。ありがとう、佐吉。でも、あたしのために、あんたが悪役になる必要はないよ。いや、悪役になんかなれっこないよ。いくらひねくれた言葉に乗せても、あんたの生真面目な根っこは見えてるし」
「な……なぜ笑うんだ! 俺は本気だぞ、お前など、簡単に叩き落とせるんだからな!」
「無理だよ。だってあんたはいい奴だから、このまま抱かれても、きっと怖くない」
大海は佐吉に怒りも怯えもせず、その場に留まり続ける。
「なぜ……お前はこのまま、慰み者のままでいいのか!? 正しき権利を求める者が泣きを見るような理不尽、許してなるものか!」
「だから、切り替えるって言っただろ。そんな人生の中でも、きっとあたしに出来る何かが見つかるはずさ。諦め、と言われれば、そうだけど……後悔はしない」