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戦国ラブドール
第12章 月の掛け橋
小夜が大海と半兵衛の情事を目撃したのか、それともその後半兵衛と顔を合わせたのか。もし前者だとすれば、あまりに気まずくてとても追及は出来なかった。
「は、半兵衛殿! 茶はいいです、そんなに長い間お邪魔はしませんから! それより、その……ああ、囲碁、得意なんですか?」
大海も自責の念に耐え切れず、たまたま目についた囲碁の話を振ってみる。半兵衛も昨日の話は避けたいのか、食いつくように乗ってきた。
「ええ、おそらく、この城――いえ、織田家の中でも、三本の指に入る自信がありますよ。そういえば大海も、囲碁を打つとか」
「え? なんで、知ってるんですか?」
「あなたは見た目も中身も目立ちますから、すぐ情報が入ってきますよ。なんでも佐吉を打ち負かしたとか、吉継に弟子入りしたとか」
「いや、なんか尾ひれが色々ついてますけど……」
「真偽はともかく、女性なのに囲碁がお好きとは珍しいですね。小夜殿と対局したりするのですか?」
小夜は半兵衛の問いにうろたえ、首を横に振る。
「いえ、わたしは全然分からないです……すいません」