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戦国ラブドール
第12章 月の掛け橋
 
「まあ、そういう事。拒否されたとはいえ、半兵衛様のところへ足を向けたのは事実だからね。こんな事知れたら、また半兵衛様は自分を責める」

「吉継……」

 大海が振り返れば、吉継は表情を悟られる前に唇を奪う。合わせて、腰に絡まっていた手が胸に伸び感触を味わい始めた。

「ん……ふぅっ」

「君の体、すごくいいよね。恵まれた大きさで、命の力に溢れていて、羨ましい。僕も、こんな体が欲しかった」

 手つきはいやらしいが、言葉の切なさを思えば大海はどうしても吉継を振り払えなかった。避けられる原因を知っているなら、半兵衛の心を察して距離を置くのが大人の対応だ。だが吉継は、それを分かってもなお半兵衛に会いたいと望んでいる。

 肉体は、鍛錬である程度変えられる。だが、それに限度があるのも事実だ。

「こうして触ってると、君の命をすごく感じる。自分も分けてもらってる気がする。だからかな……君を見ると、つい悪戯したくなるのは」

 吉継はそう言うと、片手を大海の下半身に伸ばす。そこは命に溢れ、熱い蜜をこぼし始めていた。

 吉継に肉体を譲ってやる事も、命を分ける事も現実には不可能である。だが大海は、それでも吉継に体を預けた。
 
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