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戦国ラブドール
第12章 月の掛け橋
「ほら、あんたすごく強いし、参考にしたいんだよ。嫌だって言うなら、仕方ないけど」
「……なにか、企んでる? 怪しいなぁ」
「企んでるなんて、そんなんじゃないよ。ほら、その……強い奴を見たら血が騒ぐのが、女ってもんじゃないか」
「何それ、そんな女の理論聞いたことないよ。ますます怪しい」
「う……駄目、かな」
大海がしおらしく見つめれば、吉継は笑い声を漏らす。
「いいよ、その下手くそな嘘に騙されてあげる。けど、君可愛いから囲碁じゃない事も教えたくなっちゃうかも。それでもいい?」
大海は頬を赤く染めしばらく口を閉ざすが、やがて小さく頷く。襲われてもなお実行したい企み事とは一体なんなのか。横になっていても、吉継の胸は期待に高鳴っていた。
そして、夜。仕事を終えて部屋に戻ると、大海はやけに疲れた顔の小夜へ切り出した。
「あのさ、小夜。今日、あんた半兵衛殿に囲碁を教えてもらっただろ? どうだった?」
「どうって……わたし、駄目かもしれない。半兵衛さんは日本の言葉を、すごく分かりやすく喋ってるのに、全く理解出来ないの」