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戦国ラブドール
第13章 欲というもの
形は男性自身であるが、固さは無機質で味がない。明らかに女の体に馴染むものではないが、それでも大海の体はそれを受け入れ開いた。
「いやぁっ! 駄目……あ、んっ、んんっ」
求めてやまないものを模倣した動きに、大海は嬌声が止まらなくなる。奥にねじ込まれる快感に、欲が振り切れるのもすぐだった。
「いく……あああっ!!」
高ぶる体は一気に昇り詰め、意識を遠退かせる。
(こんな……訳の分からないなものでも感じるなんて、あたしは……)
高みへ昇れば、見えてくるのは淫らではしたない自分自身の姿。昇ると共に急落する心は、快楽の余韻と絶望にわななく。淫夢の果てにある認めたくない自分に蓋をするように、大海は瞼を閉じた。
大海にとって長浜は、見た事のない栄えた地であった。しかし堺の町は、長浜を超える活気に溢れていた。飛び交う言葉は、西独特の訛り。能登では近隣の村人を集めても敵わないだろう人混み。
「大海さん、すっかりおのぼりさんですなあ。そんな大きく口を開いて間抜けな面をしていると、あっという間に銭を吸い取られてしまいますよ」