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戦国ラブドール
第13章 欲というもの
「――好きだ」
溢れる想いは、自然と言葉になっていく。目を丸くする大海の耳元で、虎之助は囁いた。
「今日だけじゃない、未来永劫、お前を俺のものにしたい。他の奴の慰み者になんかさせてたまるか」
「あ、え……それって、あの……?」
「どうせ、答えは『分からない』だろ?」
大海が何か言い出す前に、虎之助は自分で答えを決め付ける。だがまさしくその通りで、大海には返す言葉がなかった。
「分からない、ってのは間違いだな。お前、恋をした事がないんだろ? なら、分からないんじゃなくて答えを『知らない』んだ。知らないものをこねくり回して考えても、そりゃ分からないだろ」
「な、なるほど」
「知らない事は、体験してみなきゃ一生分からないままだ。俺が今どんな気持ちでいるのか教えるから、知った上で考えてくれないか」
「考えるって……何を?」
「慰み者でも侍女でもなく、俺の伴侶として生きる事を」
虎之助は言葉より先に、大海の唇を奪う。予測していなかった口づけは大海の心臓を跳ねさせるが、嫌悪感は与えない。強引ではあるが、そこには優しさがあった。