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戦国ラブドール
第13章 欲というもの
「ま、待って、でもあんた、未来ある武士なんだろ!? だったらその内、いい縁談が舞い込んだりするんじゃないのかい? あたしは所詮平民で、慰み者だ。そんな女を選ぶより、もっといい縁を待つべきじゃ」
「どんな良縁だって、お前には敵わないさ。俺が触れたいと思うのも共にいたいと思うのも、相手がお前だからだ。他の奴じゃ、こんな気持ちにはならない」
「な、なんで……?」
「それが、恋だからだろ」
何度も触れ合う唇と共に、虎之助の手が大海の胸に伸びる。着物の上から撫でられると、感じるのはもどかしさ。
「ん……」
進もうとする体と、留まろうとする心。ばらばらに乱れる大海は、焦燥を募らせる。
「俺の事が、嫌いか?」
「嫌い……ではないけど」
しばらくすると、虎之助は胸を撫でるのを止めて揉み始め、大海の様子をうかがう。
「他に好きな奴がいるか?」
「それは……いない、と思う」
最後に全て『分からない』が付きそうな曖昧な口調は、いかにも初である。好きだと言われた訳でもないのに、虎之助は気分が高揚した。