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戦国ラブドール
第14章 海の向こうに
「こんなくだらない勝負に乗るほど、本気なんですか?」
「なんでお前にそんな事を話さなきゃならないんだ。俺がどうしようと、お前には関係ないだろ」
「あなたに関係はありませんが、彼女には関係ありますから。このままでは、彼女が可哀想です」
虎之助は拳を握り、鋭い目をさらに鋭くする。行長はそれを、まるで鑑定するかのように見つめていた。
「可哀想な目に遭わせようとしてるのは、お前の方だろ。俺は、責任を持ってあいつを迎えるつもりだ」
「責任とは? 身請けでもして、妾として囲うつもりですか」
「そんな軽い気持ちじゃない! 真剣に、嫁として迎えるつもりだ。体目当てのお前と一緒にするな」
「嫁ですか。それで、生涯安泰なんですか? 気持ちだけで幸福が得られると?」
行長の追及に、虎之助は言葉を詰まらせる。頭の中によぎりながらも、目を逸らした事実を見抜かれていたのだ。
「あなたは武士です。いずれ、どこかのお家との縁談も来るはずです。その時はどうするんです? ただの妾ならともかく、正式に娶るなら、決断しなければなりません。離縁か、側室に格下げか」