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戦国ラブドール
第16章 眠れぬ夜は
 
 佐吉に謝らせて修復する手は、おそらく使えない。そう踏んだ吉継は、すぐに頭を切り替え次の策を練り始める。頭に浮かぶのは、行長。知識を備えた行長は、大海を気を引き憂鬱を紛らすのに適した人間である。

(とにかく、尾張派の増長を止めないと。まずは相談してみなきゃ)

 佐吉を置いて、吉継は動き出す。早々に切られたと察した佐吉は、何も言えずただ近淡海を眺め続けるしかなかった。

(なぜ、こんな道理の通らない思いを抱く?)

 佐吉の胸に渦巻く黒い感情は、完全なる身勝手である。吉継の言う通り、大海は友を素直に祝福しただけで、何も道理には反していないのだ。

 だが、理屈が筋道を立てても、胸のもやは晴れない。崖から突き落とされたような痛みは、いつまでも体を蝕む。筋が通っている事を許せないと思うのは、佐吉にとって初めての経験だった。

(いっそ、あいつとこのまま絶縁していた方が、互いのためになるんじゃないのか? あいつは俺がいなくたって、吉継がいれば大丈夫だろう)

 頭に浮かぶのは、安易な答え。だがそれは、佐吉の心を急速に軽くする。

 近淡海の水面に、浮かぶのは大海の本来持つ笑顔。佐吉はまた小石を投げて、それを掻き消した。
 
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