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戦国ラブドール
第16章 眠れぬ夜は
小夜は慌てて首を振るが、吉継の心に空いた穴は簡単に埋まらない。それも、よりによって向かった先は半兵衛の元。吉継には、絶対に手を出せない領域である。
「……寂しいですか?」
気が付くと、小夜が吉継の顔を覗き込んでいる。小柄な小夜は、大海と違い顔を上げなくても視界に入った。
「私は……寂しいです。わたしが一番お姉ちゃんを心配してるのに、わたしのお姉ちゃんなのに……半兵衛さんだって、わたし相手だと暗くなれば帰るように言うのに、お姉ちゃんは一晩いてもいいなんて、ずるい」
不意に小夜の髪の香りが、吉継の鼻をくすぐる。男をぬかるみに沈めようと誘う、甘い香り。大海とは違い、吉継の両腕にすっぽりと収まるその体は、自ら吉継の胸に飛び込んできたのだ。
「寂しくて、仕方ないなら……小夜が、代わりに慰めてあげます」
「……え?」
今まで抱いていた小夜との違いに、吉継はすぐ反応が出来なかった。その間に小夜は吉継の首筋に赤い唇を這わせ、ちくりと小さな跡を残す。手は下半身に伸び、吉継自身を撫で始めていた。
「ま、待ってお小夜ちゃん。どうしたの? こんな事、しちゃ駄目だよ」