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戦国ラブドール
第18章 プロポーズ
夜、侍女の屋敷で眠れば悪夢が待っている。昼間に眠ったせいもあって、大海は一晩眠らずに過ごした。そして、次の日の朝。
「お姉ちゃん、顔色悪いよ? 大丈夫?」
「大丈夫、ちょっと寝不足なだけだから」
「酷い目に遭って疲れてるんでしょ? 志麻さんに話して、今日は暇をもらった方がいいんじゃない?」
「昨日も結局一日休んじゃったんだし、怠けちゃいられないだろ? 働かない奴は食う資格なし、ほら、暗い顔してないで行くよ」
大海は拳を握り元気を主張すると、心配する小夜に笑顔を向ける。そして部屋から出ようとした、その時。外から、声が掛かった。
「大海、今大丈夫か?」
それは、虎之助の声。小夜は眉をひそめ警戒するが、大海はすぐに返事して襖を開く。
「大丈夫だけど、何か用かい?」
だが大海は、襖の向こうに立っていた人物の姿に、言葉を詰まらせる。虎之助は右手に荒縄を持ち、それが後ろに立っている市松の胴に繋がっていたのだ。
「驚かせて悪い。今日は、謝罪に来たんだ」
「……それは構わないけど、何もそんな罪人みたいに縄で括らなくとも」