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戦国ラブドール
第18章 プロポーズ
縄は市松の胴に繋がっているだけで、別に手足を拘束されている訳ではない。とはいえ、市松は手を後ろに隠しているため、縛られているのが見えないだけかもしれないが。虎之助は縄を軽く引っ張ると、首を振り答えた。
「こうでもしないと、また何かやらかすかもしれないからな。この方が安心するだろう?」
大海としては特に安心も不安もない。だが小夜はそれでも気に入らず、二人の間に割って入った。
「お姉ちゃんを攫ったその人を連れてくるなんて、信じられない! 近付かないで、帰って!」
市松は申し訳なさそうにうなだれると、普段に比べ小さな声を漏らす。
「すまない……そう言われるのは仕方ないが、どうしても謝りたかったんだ。絶対もう馬鹿はしないから、話だけさせてくれねぇか」
「冗談じゃない! あなたのせいで、お姉ちゃんは今日も苦しそうなのに……」
「小夜、いいよ。庇ってくれるのはありがたいけど、怒らなくていい。市松、話くらい、別に縄で繋がなくたって聞くから」
「お姉ちゃん!!」
「小夜は、先に外に行っとくれ。あたしはすぐに追うから」