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戦国ラブドール
第18章 プロポーズ
 
 大海が手を伸ばそうとすれば、横から小夜が花束を奪い取る。強く睨まれても、市松は何も言えなかった。

「昨日は、すまなかった。謝っても謝りきれるもんじゃないが、それでも謝らせてくれ。もう二度と馬鹿な真似はしない。酒も飲まない。申し訳なかった!」

「別に……あたしはあんたらの慰み者で、あんたはその通り扱っただけだ。元から謝る事じゃないよ。あんたを、責めるつもりもない。むしろ責められるのは、あたしの方だ」

「お姉ちゃんが責められるいわれなんてないじゃない!」

「いいや、あたしはあんたら子飼いの優しさに甘えて、すっかり自分の立場を忘れてたんだ。運命を受け入れて、その上で自分の道を見つけるって言ったのに……いざ慰み者にされたら、ちょっと傷ついちまった」

 大海は自分の髪を掻きむしると、苦笑いを浮かべる。

「高虎達が来てくれた時も、正直ほっとした。馬鹿な自分が嫌になっちまうよ。口では偉そうな事を言っても、目の前に実際苦難があれば、へこたれそうになっちまう。折れずに乗り越えられるかって問われた時には、迷わず頷いたのにね」
 
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