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戦国ラブドール
第19章 愛憎
「んっ、ふ……」
言葉では、どんな誤解をされるか分からない。佐吉は交わす熱に想いを乗せて、大海に触れる。そして指先が大海の鼓動に触れようとした、その時。
「はいはい佐吉さん、こちらのお嬢さんは、お触り禁止ですよー」
甘い空気を破壊する軽い声と共に、佐吉は背後から抱き上げられて大海から離される。いつの間に現れたのか、二人に割って入ったのは行長だった。
「行長、離せ!」
「佐吉さん、今どういう状況か分かってます? 私でなければ、あなたぼっこぼこにされてましたよ」
行長に諭されて、佐吉は思い出す。紅天狗の一件で、大海と小夜には見張りがついている。当然今日も、それは変わらないのだ。おそらく、行長は一部始終を目撃している。佐吉が羞恥に震え言葉を詰まらせれば、行長は佐吉を下ろし大海に手を伸ばした。
「あーあ、こんな外で盛ってしまうから、また着物が土まみれじゃないですか。もう寒い季節なんですから、せめて室内でまぐわいましょうね?」
大海も羞恥に顔を赤く染め、慌てて乱れた着物を直す。行長は大海の腕を掴み立ち上がらせると、佐吉に訊ねた。