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戦国ラブドール
第3章 佐吉という男
唐突な申し出にうろたえているうちに、吉継は大海を引っ張り襖を開く。
「あ……わたしも一緒に行きましょうか?」
吉継の足を止めたのは、小夜の一言。だが吉継は笑顔で、その申し出を断った。
「いや、君みたいな綺麗な手の女の子に、重い物は持たせられないからね」
気遣いの言葉に、小夜は耳まで赤くする。初な妹への心配と軽い吉継の言葉に危機感を覚えた大海は、ひとまず二人を離した方が得策だと考え吉継に従った。
吉継は自身の部屋まで大海を連れてきて、ひとまず座らせる。部屋の隅には柿が転がっていたが、全て拾っても小夜が持ちきれないほどの量ではなかった。
「……吉継って言ったね。あんた、小夜に手を出すならあたしが許さないよ。あの子はこんな馬鹿げた事に巻き込まれて、今も心の中じゃ泣いてるんだ。その傷を抉るような真似をするなら、刺し違えても止めてやる」
「ん? あの子に手を出そうだなんて思ってないよ? というかこの城の男全員が無理だと思ってるよ。あの子は、秀吉様の愛娼なんだから。手なんか出してそれが知られたら、首が飛ぶ」