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戦国ラブドール
第21章 急転
「お姉ちゃん、酷いよ……お姉ちゃんだって変な人に散々犯されてきたのに、どうしてわたしの気持ちを分かってくれないの。なんで辛い思いをしたわたしが、疑われなきゃいけないの!?」
「違う、あたしはそんなつもりじゃないんだって――」
「そんなつもりじゃなくても、そう思わせる方が悪いのよ!! お姉ちゃんは、小夜の味方だと思ったのに……っ!」
小夜は大海を突き飛ばし、部屋の外まで押し出す。そして襖を閉めると、内側からつっかえ棒を挟んで開けられないよう細工した。
「小夜!!」
「来ないで!! 今は、誰とも話したくないっ!」
拒絶の言葉に続いて、聞こえてくるのは泣き声。すると近くで事の顛末を見守っていた志麻が、茫然とする大海の肩を叩く。
「まさか、あの子がそんなひねくれた考えであなたを罵倒するなんて……迂闊でした」
市松には、犯行は不可能である。そう知った一行は、大海にそれを伝えるよう託した。他の者では、どんな誤解を与えるか分からない。姉である大海の言葉ならば小夜も素直に耳を傾けると考え、半兵衛も孫六も安心して市松の方へ向かったのだ。
「大海さん、大海さん?」