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戦国ラブドール
第21章 急転
「皆……ありがとう。ああもう、あたしって本当に馬鹿だね。何回も同じ事で躓いて、迷惑かけて……」
「それでいいんだよ。互いに迷惑をかけて、喧嘩して、謝って、また仲直りして……それが、友達でしょ?」
吉継の言葉に、大海は笑みを浮かべ頷く。その表情に、後ろ暗さはもうない。大海という人間の持つ、本来の明るさに溢れていた。
その真っ直ぐな笑みに、市松はうろたえ顔を赤くする。そして動揺を隠そうと、慌てて口を開いた。
「よ、よし! こんな時は景気付けに、酒だ! 酒を飲んで、勢い付けようぜ!」
だが酒という二文字に、虎之助が鋭い目線を向ける。
「お前、また禁酒を破るつもりか?」
「い、いや違う! 俺は水、皆は酒! な!?」
「な、と言われましてもねぇ……市松さんは女心が分からなくて困りますわ。こんな時、女子が喜ぶのは甘いものに決まっているでしょう。大海さん、実は私、南蛮のカステラ言うふわっふわの菓子を手に入れたんですが、どうです?」
「なんだよ行長、カステラって! それ俺も食いてぇ!」
「なんで市松さんにくれてやらなきゃいけないんですか、高いんですよあれは!」