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戦国ラブドール
第22章 束の間の夢も
佐吉のひねくれた物言いに角が立ち、孫六は皮肉を返す。佐吉もそれに刺激され、眉間に皺を寄せた。
「言うだけなら誰にでも出来るだろうな。そういうお前は、単独行動で何をしていた? 皆と力を合わせずに勝手な真似をして、ろくな成果が得られるとも思えないが」
すると吉継が吹き出し、腹を抱えて笑いを堪え、佐吉の背中を叩く。
「佐吉が、皆と力を合わせるって……ああもう、成長したね君は! 嬉しいよ僕は!」
「……吉継、さっきから呑んでいるのは酒か? 酔っているな」
「酔ってないし! まあ、これが酒なのは違いないけど、いいじゃんたまには」
「駄目だ、大酒は体に悪いと言うだろう。体力だけが取り柄の馬鹿共ならともかく、お前は控えろ」
「むー……皆ずるい! 大海は貸してくれないし、柿は駄目酒は駄目って文句ばっかり! ねぇ孫六、どうせ君、そんなに大海に興味ないでしょ? ちょっとくらい僕に譲ってくれてもいいじゃない」
酔った吉継は手招きし、大海の引き渡しを求める。しつこい吉継に苛立った孫六は、その手を払うと睨みつけた。
「いつ誰が、大海に興味がないと言ったんだ?」