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戦国ラブドール
第22章 束の間の夢も
 
 大海自身ですら、話を聞かされていたら無茶をしただろうと予測してしまうのだ。皆が気を遣うのも、無理はない話だった。

「とにかくお前は、俺達の目のつく場所にいてくれ。紅天狗も、お前を手に入れるまでは、小夜の方を下手に傷付ける事もないはずだ」

「……分かった、小夜の事は、あんたらに任せるよ。お願いだ、必ず小夜を助けとくれ」

「もちろん、それが仕事だからな」

 虎之助は大海を安心させようと肩を叩き、力強く頷く。そして、続けて皆へ呼び掛けた。

「ひとまず、怪しいのは小夜と恋仲の噂が出た相手だ。そいつを特定しつつ、部屋に抜け穴があるかどうかも調べよう。だが、今日は皆疲れているだろう。今日は休んで、明日から動いた方がいいと思うんだが」

「あなたが仕切ってるのは気に入りませんが、まあそれが無難でしょうな。聞き込みにしろ、抜け穴にしろ、夜中までがむしゃらに動けばいいという案件でもありません。今日は吉継さん、あなたが大海さんの護衛に付くんですか? それなら、私達は休みましょうか」

 すると半兵衛が、手を挙げ行長を遮る。
 
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