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戦国ラブドール
第23章 赤壁の戦い
「むしろ、捕まったのだってわざとかもしれないぞ。捕まれば、奴らの懐に入れる。これは、あのガキが作った好機と見るべきだろう」
高虎はもう一度赤い布に書かれた文に目を通し、取引を確認する。歳月寺の跡地、とは、町からそう離れた場所ではない。だが乱闘になっても、町人には迷惑のかからない、暴れるには適した空き地だった。
「取引の日、それが反撃の日だ。大人しく大海を渡す必要はない、全員で乗り込んで、奴ら全員をぶちのめしてやる」
勇猛な口調と気配に、沈んでいた一同の士気は高まる。だがそこへ口を挟んだのは、半兵衛だった。
「それは私も同意ですが、少しだけお待ちを。紅天狗は、内通者によりこちらの動きを把握しています。こちらが反撃する気だと気取られれば、現場に奴らが現れない可能性もありますよ」
「さすがは賢い軍師様だな。だが、じゃあどうするつもりだ?」
「彼らが挑むのは、赤壁の戦い……ですがあれは、最終的に勝つのは曹操ではなく孫家です。ならば私達も先人に習い、彼らの手を使いましょう」
「彼らの手……? どういう事だ」