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戦国ラブドール
第23章 赤壁の戦い
「呉の軍師周瑜は曹操を欺くため、古き猛将黄蓋と対立したふりをしています。そして黄蓋は、曹操に投降したふりをして内部へ入り込み、戦いで活躍しました。私達は紅天狗のねぐらを知らないため、投降は出来ませんが……それと同じ事をしてやりましょう」
半兵衛はそこで吉継に目を向け、名を呼ぶ。
「吉継、あなたと私が難しい仲であるのは、城に出入りする者なら誰もが知る事実です。当然内通者も、それは周知のはず。そこで、私とあなたで、周瑜と黄蓋を演じましょう」
「僕が、半兵衛様と……?」
「詳しい事は後で打ち合わせて詰めますが、この三日の間、皆の目の届く所で大喧嘩をします。私は孫六を助けるため大海を連れ出そうと主張します。あなたはそれを止め、私を出来る限り罵倒してください。そして取引の日、私は独断で勝手に大海を連れ出します」
「なるほど、対立したふりをして、内通者を欺くんですね。それなら、奴らも取引から逃げずに現れるでしょう」
「ええ。皆は、後からついて来て、油断した紅天狗を思う存分退治してください。それが、現状出来る最善の策だと思います」