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戦国ラブドール
第23章 赤壁の戦い
半兵衛の案に、皆納得し頷く。が、問題は責任者である高虎である。高虎はどう動くか、皆緊張しながら窺った。
「……分かった、その話、乗ろうじゃないか」
半兵衛に対し棘のある高虎だが、今日は素直に頷く。
「その手で行くとして、大海はどうする? 想定外の動きをされたら困る、今回は事情を話しておいた方がいいんじゃないか?」
「いえ、彼女は腹芸が得意ではないでしょう。ならば、知らせない方が敵を欺けるでしょう」
「……そうか。なら、全て任せよう」
任せる、という言葉に、一同は安堵する。半兵衛は秀吉の軍師であり、心強い味方である。対立し、いがみ合うのは得策と考えられなかったのだ。高虎が半兵衛を信じ手を取り合うなら、これほど皆にとって心強い話はなかった。
それからしばらく、反撃のための話し合いは続く。大海はまた何も知らされないまま、一人日常を過ごす。
無闇に人気のない場所に行かないように気を付けながらも、侍女として日々の仕事をこなす。小夜の身をいくら案じようとしても、それ以上に出来る策はなかった。