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戦国ラブドール
第23章 赤壁の戦い
吉継が大海の前へ現れたのは、侍女の仕事が一段落ついて空き時間になる、少し前までいつも囲碁を習うために吉継の元へ通っていた辺りだった。
大海は他の侍女とよもやま話に耽っていたが、吉継は構わず背後から大海に抱きつく。
「大海、ちょっといい?」
「きゃああっ!」
ついでに胸を鷲掴みにすれば、大海は叫び声を上げて振り返る。悪戯が成功し悪い笑みを浮かべる吉継に、大海は顔を真っ赤にして怒鳴った。
「あんたっ……どさくさに紛れて、そういう事を!!」
「仕方ないじゃん、そこに山があれば登りたくなるのが男ってものなんだから」
「意味が分からない!」
「分かる訳ないよ、言ってる僕も意味不明だ」
相変わらず調子を狂わせる物言いに、大海は溜め息を漏らす。そしてまんまと大海を侍女達の元から自分の部屋へ連れ出す事に成功すると、碁盤を挟んで座った。
「ね、ちょっと打とうか。今、時間あるでしょ? 夜には、きちんと侍女の屋敷まで帰すからさ」
吉継の強引な態度には腹が立つが、囲碁の魅力には敵わない。大海は口を尖らせつつも頷き、石を摘んだ。