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戦国ラブドール
第24章 赤壁の戦い②
「お姉ちゃんの事、知っているんですか? そっか……お姉ちゃん、心配してくれてるんですね」
「だった一人の妹を心配しない姉が、どこにいる? あれは優しい女だ。自分が至らなかったせいで小夜を傷つけたのだと、自分を責め続けていた」
「そんな事ないです! 攫われたのは、わたしが――」
「お前も自分を責める必要はない、全ては紅天狗が悪いのだ。だが、奴らはお前を手にした事で、調子に乗った。私を人質に、姉を手に入れようとしている。交渉の場へ姿を現した時……それが、我らの反撃の時となる」
「……それ、半兵衛さんも知っているんですか?」
小夜を安心させようと希望を語ったつもりが、小夜はますますか細い声になる。小夜の表情が見えないため孫六は疑問を抱きながらも、ひとまず問いに答えた。
「ああ、半兵衛様も、紅天狗の一件を知り助力している。おそらくは、心強い味方となるだろう」
「駄目っ、駄目です! あの人が……半兵衛さんが、私を騙したんです!」
「どういう、事だ?」
「あの人は、賊と内通しています! あの人が関われば、お姉ちゃんまで攫われちゃう!」