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戦国ラブドール
第25章 赤壁の戦い③
残る問題は一つ――高虎が刀を突きつけ、動きを封じた半兵衛の処遇である。
「高虎さん、こっちはもう大丈夫です」
「ご苦労だったな、虎之助」
高虎は虎之助を労うが、腕を下ろそうとはしない。半兵衛は両手を小さく上げながら、苦笑いして高虎に訴えた。
「赤壁の戦い、無事に勝利して何よりです。しかし勝ったのですから、そろそろ私も楽になりたいのですが」
「無事に勝利だと? 時間も場所も告げず、勝手に大海を連れ出したお前がよく言えたな」
「そういう策だと話したでしょう? 吉継と諍いを起こし、あなた方を見限った振りをして彼女を連れ出すと」
「そうだな、だが……それなら極秘に、出る時間を告げてもいいはずだ。だがお前は、まるで本当に俺達を欺いたかのように出て行った。本当に、策のつもりだったのか?」
高虎は険しい顔を向け、半兵衛に追及する。半兵衛も苦笑いが消え、普段からは想像のつかない厳しい目を返した。
「小夜が何者かと恋仲にあると、お前は言ったな。この三日、俺と虎之助は、その裏付けを取った。噂は確かに立っていた。が……お前は一つ、隠し事をしていたな」