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戦国ラブドール
第25章 赤壁の戦い③
目が覚めたその時、一番初めに感じたのは温もりだった。重く、冷えた体。死んでしまったのかと思ったが、手が誰かに握られて温かい。握り返せば、小夜の声が飛んできた。
「お姉ちゃん!」
「……小夜? あたし……ここは?」
上半身を起こせば、広がるのは見慣れた自分達の部屋。いつの間にか、城へ戻っている。大海が首を傾げれば、小夜が抱きついてきた。
「お姉ちゃん、ごめんなさい、ごめんなさい……! わたしのせいで、こんな事に」
「小夜……あ、あんた、無事だったのかい!? 怪我は!? どこか痛いところは!?」
「わたしは平気、だって、全部自分のせいだもん……お姉ちゃん、わたし、お姉ちゃんに謝らなきゃいけない事、たくさんあるの」
「謝る? あんたは何も悪くない、紅天狗が全部悪いんだろ」
「そうじゃないの! 聞いて、お姉ちゃん」
小夜は、時折涙をこぼしながら、自分が半兵衛と恋仲であった事、市松を陥れようと企んだ事、そして大海が眠らされた後の事件の経緯も、全て語る。妹の犯した罪はもちろん、半兵衛が内通者という事にも絶句した大海だが、実際に目撃した小夜が言うのだ、疑いようがなかった。