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戦国ラブドール
第25章 赤壁の戦い③
「そんな……何かの間違いだろ。半兵衛殿が秀吉を裏切るなんて」
だが、半兵衛が秀吉を心から慕っているのは、大海もよく知っている。その秀吉憎さにこんな事件を起こすとは、簡単に受け入れられるものではない。疑いようがないと分かっていても、呟かずにはいられなかった。
「いや、それより……小夜。あんた、市松には謝ったのかい? 嘘をついて犯人に仕立てるなんて、絶対にやっちゃいけない事だ」
「市松さんには、お姉ちゃんが寝てる時に謝ったわ。ひどい事をしたのに、市松さんは『俺もお小夜ちゃんを傷つけるような事をしたから、おあいこだ』って……」
「どんなに憎い奴がいたって、嘘で陥れるのは駄目だ。自分に正当性があって嫌うなら、正面から戦うべきだ。あたしは……そこだけは、市松が許したとしても、簡単に許してやれない」
大海の言葉に、小夜は身を離し、正座して頭を下げる。
「本当に、ごめんなさい」
「後から真実が分かったって、一度市松についた不名誉は簡単に拭えないんだ。市松の名誉が回復するその時まで、あんたは謝り続けなきゃいけないんだよ」