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戦国ラブドール
第25章 赤壁の戦い③
喚いても当たっても、今さら真実を覆い隠す事は出来ない。黒月が犯した過ちを、吉継は厳しく抉り続ける。
「一つだけ僕達が懸念したのは、君が本当に女だった場合だ。落書きと囲碁、この二つから僕達は君を犯人だと推測したけれど、証拠がない。内通者は、男でなければ不可能だ。万が一女なら、言い逃れがいくらでも出来てしまう。だから半兵衛様は、証拠を固めるために赤壁の戦いを踏襲した」
「赤壁……お前と竹中半兵衛が争った振りをして、なんの証拠になるんだ。私は全て調べ抜いた、手落ちはない!」
「僕は半兵衛の真の狙いを隠すための、偽りの周瑜でしかない。本物の周瑜と黄蓋は――藤堂高虎と、竹中半兵衛だ」
「っ!!」
「藤堂は半兵衛様を疑い、罵倒し不信を抱いていた。それは君にとって好都合だったろう? 半兵衛様さえ潰れれば、君は完全に罪を逃れられる。ちらつかせた餌に、君は疑いもせず食いついてきた」
「違う、過ちは私のせいではない! 子飼い達が後から来るから気を付けろとあれほど言ったのに、まんまと捕まった馬鹿共だっ!」
黒月の叫びに、赤月は傷つきうなだれる。だが保身に走る黒月に、その表情は見えていなかった。