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戦国ラブドール
第25章 赤壁の戦い③
「紅天狗の責任逃れなんてどうでもいいよ。どの道、君は半兵衛様の策に乗せられて、こうしてようやく言い逃れできない状況に陥った。もう、全て終わりだ」
「……ふん、まだ終わりじゃないさ。見たところ、お前は一人だな。半兵衛の真の策を知り、行動しているのはお前だけという訳だ。ならば、お前を殺せば、逃げおおせる時間くらいは稼げるだろう」
黒月が懐から取り出したのは、棒手裏剣。他の紅天狗と違う得物は、黒月が雑魚とは違うと示していた。
「動けば、お前の愛しい女を斬る。まずは爪を剥ぎ、耳を削いで、局部に刀を突き刺し喉を掻き斬る。傷つけたくないのなら、抵抗はするな」
黒月が赤月に横目で指示すれば、赤月は大海の手を片手で握り、くないをもう片方の手で構える。爪を剥がされる恐怖に、大海は青ざめ硬直していた。
「……大海、ごめん」
吉継は消えそうな声で呟くと、小太刀に手をかける。そしてそれを、ためらいなく抜き去った。
「もう少しだけ、僕を信じて!」
黒月が棒手裏剣を投げるが、吉継はそれを小太刀で弾き踏み込む。
「赤月、やれ!!」