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戦国ラブドール
第26章 かわいそうなこどものおはなし
「はあっ……お姉ちゃん、小夜、またいっちゃう、気持ち良いの、来るっ……」
「あっ、やん――はああっ!」
姉妹の絶頂は、同じ瞬間に巡る。一際強く擦り上げたその時に昇り、二人は背を反らし嬌声を上げた。
小夜は絶頂のさなか、大海の胸に顔を埋めながら幸福を感じる。汗ばんだ大海の匂いは甘く、小夜を長く夢心地に浸らせた。
「……お姉ちゃん。わたし、もう……大丈夫」
「ん……それなら、良かった。じゃ、今度こそ寝るんだよ。ずっと紅天狗のところにいて、疲れてるはずなんだから」
「このまま、お姉ちゃんと一緒に寝てもいい? お姉ちゃん、あったかくて、柔らかくて、気持ち良いから……お姉ちゃんと一緒なら、眠れそう」
「そんな事、聞かなくたっていいよ。あたしは、今までも、これからも――ずっと、一緒にいるから」
大海は小夜を抱き、子どもをあやすように背中をさする。絶頂の後に訪れる眠気は、すぐに大海を深い眠りへ導いた。
静かな寝息を立てる大海を見つめ、小夜は目を潤ませる。全てを包む優しさが、小夜の胸の内を潰していた。
「お姉ちゃんのばか。これからもずっとなんて――じゃあお姉ちゃんは、どこで幸せになるの?」
体の疼きが収まれば、小夜の頭に駆け巡るのは姉への思いやり。小夜は一つの決意を固めると、夜明けまでは甘えようと決めて大海に抱きついた。