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戦国ラブドール
第27章 未来への道に
 
「この地で生きて、出来る事を探そうって、髪を切っただろ? 小夜に言われて、本当に考える事が自分の事だけになって……ようやく答えが見つかったんだ」

「この地でどう生きていくのか……僕が聞いてもいいの?」

「あんたに聞いてほしいから、ここに来たんだ。最後まで、聞いてくれるかい?」

 吉継が頷けば、大海は安堵し口元を緩める。だがすぐにまた緊張した顔に戻ると、いつもより控えめな声で話を始めた。

「ここに来て、色々あって……あたしは、いかに自分が力のない人間かよく分かった。紅天狗みたいな悪党を薙ぎ倒す事だって出来なかった」

「それは、君が悔しがる事じゃないよ。悪党を成敗するのは、武士の仕事だ」

「うん、分かってる。攻められればもちろん反旗は翻す覚悟だけれど、基本的にそれは武士の役目だ。あたしがするべき事じゃない。力を欲する事は、ここで生きるって事じゃないんだよ」

「じゃあ……君はどう生きたいの?」

「力はないけれど、あたしには考える頭がある。もちろん、何でも思い付けて全て知恵で解決出来るほど天才じゃないけどさ……少なくとも、力よりは役に立つはずさ」
 
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