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第27章 未来への道に

　
　大海の言葉に、吉継は大きく頷き同意する。思い上がりだと否定されなかった事は、大海の口を軽くした。

「それで……出来るなら、家中で起こるだろう諍いを、なんとかして抑えていきたい。いがみ合う奴らの架け橋になれたらいいなって、思うんだ」

「きっと、それは君に向いている生き方だと思うよ。僕と半兵衛様を引き合わせてくれたように、君には新しい明日を作る強さと賢さがある。いい目標じゃないかな」

「あ、ありがとう。ほら、あたしは結局ただの村娘だし、おこがましいって言われるかなって、思ったけど……」

「志に、身分は関係ないでしょ。高い志を持って行動する人間に、文句言う人間なんかいないよ。少なくとも、僕の周りにはね」

　喜び笑みを浮かべる大海に、たまらず吉継は抱き締める。溢れる愛おしさをどう伝えるべきかと考えていると、大海が吉継の背に手を伸ばした。

「あのさ、皆の役に立ちたいっていうのは本当なんだけど、そう思った時、一番に頭の中に浮かんだのは、あんたの顔だったんだ」

「僕が？」

「吉継の支えになりたいって気持ちが、あたしの一番なんだ。なんのために生きていきたいかって言われたら、一番は吉継のために生きていきたい」