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戦国ラブドール
第27章 未来への道に

「僕……大海と恋仲になったんだ。今は中国攻めもあるし、秀吉様に許可も頂かなきゃいけないから、すぐとはいかないけど……出来るだけ早く、夫婦として契りを交わしたいと思ってる」
「お、お前が一方的に考えている訳ではなく、本人も了承済み、なのか?」
「そりゃそうだよ、互いに同意した付き合いだ」
駄目押しされた佐吉は、拳をかすかに握り唇を噛む。吉継も佐吉の気持ちを察するが、首を横には振れなかった。
「勝手な話だけどね、僕は彼女を娶った後も、佐吉と変わらず友でありたいと思うんだ。もちろん、君が僕を憎いと思うなら、今まで通りとはいかないけれど……」
佐吉は吉継と目を合わせず、黙り込む。だがしばらくすると長い溜め息を漏らし、頭を掻き乱した。
「お前はいつもそうだ。要領が良く、周りに大きな敵も作らずに立ち回り、上手い話にいつの間にか乗っている。それで誰にも遺恨を残さず過ごすのだから、ずる賢いにも程がある」
「……ごめん」
「謝るくらいなら、俺に大海をよこせ。元はと言えば大海とて、俺が興味を持たなければ、お前は目にも掛けなかっただろう」

