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戦国ラブドール
第4章 子供の時間
秀吉に拐かされて以来、ずっと張り詰め険しくなっていた顔。もう心から綻ぶ事はないと思っていたが、大海は自然と頬を緩ませていた。つんけんとした態度も凛々しく見えるが、少女らしい笑みはそれ以上に大海を輝かせた。
「お前……」
腕の中に美しい少女を収め、それを好きにして良いと通達されていれば、虎之助の中に邪心が生まれる。先程、他の男から助けると言った口は、衝動に任せ大海へ襲いかかっていた。
「んっ……!」
油断しきった大海は、突き立てられる快楽の牙に貪られる。どちらのものと分からない唾液を飲み込まされ、淫らな音を立てながら吸われ、呼吸すら虎之助に支配される。濃厚な交わりは、心を封じ体を表に立たせる。虎之助が口を離せば、大海から笑みは消えていた。
「良い事言うと思ってたら……結局他の奴らに玩具を渡したくないだけか」
「いや、俺はそんな――」
慌てて言い訳する虎之助だが、それは途中で止まる。怒りや悲しみの混じった目の奥から覗く、女の熱。僅かに上気した頬、熱い吐息。ここで謝れば、情の深い大海は虎之助の暴走を許すだろう。