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戦国ラブドール
第4章 子供の時間
大海の下の口は虎之助を引き込もうと蠢くが、唇は一文字に結んだままで首を振る。まだ一致しない反応にますます腹を立て、一気に指を突き立てた。
「やああっ!」
「お前は、俺の何がそんなに気に入らないんだ! 代わる代わる違う男に抱かれなきゃ気が済まないのか!?」
怒りに任せて再び暴言を吐いた虎之助に、大海は目を潤ませながらも睨みつける。揺らぎながらも芯は固く筋を通した、曇りのない瞳。強い意志に、虎之助の心臓が跳ねる。
「あたしは……誰が相手であれ、慰み者にされるため生まれてきたんじゃない! いくら他の人間から守られたって、あんたがあたしを道具にするなら一緒だ。何が気に入らない? そんなの、初めから全部気に入らないに決まってるだろ!」
「俺を、他の馬鹿と一緒にするな!」
「一緒じゃないか! じゃあなんで、今あたしを犯そうとしてるんだい!」
「それは、お前があんな顔をするから――」
「あたしが悪いってのかい!? こんな顔が悪いって言うなら、今すぐに捨ててやる!」
大海は切り株の端から半端に伸びていた枝を折ると、それをためらいなく目玉へ向ける。