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戦国ラブドール
第4章 子供の時間
 
「まあ、お前はそうだとしても、普通は美丈夫に声を掛けられたら女は喜ばないか?」

「……確かに喜ぶ女もいるね。そういえば吉継を見て、小夜が頬を赤くしてたっけ」

「そう、それだ! 妹がそう思ってるなら、それだって間違いじゃないだろう」

「小夜はまだ子どもだから分かってないんだよ。ああいう輩が信用ならないんだ。実際信用ならなかったし」

 小夜へ愛想を良くしていた吉継の目的を思えば、ますます大海は自分が正しいのだと意固地になっていく。これ以上話がややこしくなる前に虎之助は咳払いすると、ひとまず男の話に戻した。

「つまり、男も同じって事だ。美人を見れば胸が騒いで、自分のものにしたくなる。それは人の性なんだから、止められるものじゃない。確かに顔を潰せばお前への興味を失う奴はいるだろうが、本質は何も解決していないだろ?」

「確かに、それはそうだけれど」

「別に慰み者にしようと思って手を出してる訳じゃない。ただ、お前にそうさせるだけの力があるって事なんだから、むしろ誇ってもいいんじゃないか?」

「そんな力、別にいらないし誇らしくもない」
 
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