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戦国ラブドール
第4章 子供の時間
「いやー、これはめでたい! 今日は志麻に頼んで、いい酒持ってきてもらわないとな!」
友との約束を蹴ったと思い込む市松は、なぜか満面の笑顔で虎之助の肩を叩く。大海が口を開いたまま市松を見つめると、市松はからっとした声で話した。
「ああ、皆まで言うな、分かってるからよ。俺の事は気にしなくていいぞ。親友がせっかく本気で女に惚れたのに、無理矢理奪うような裏切りはしたくないからな」
「本気で、惚れた……?」
「なんだ、そんな自信のない声出すんじゃねぇよ! 虎之助が孫六ほっぽりだして女を選ぶなんて、間違いなく人生初だ。堂々と虎之助の女だと名乗っとけ」
孫六が帰ったのは喧嘩した結果であり、大海は虎之助とそんな仲になった訳ではない。だが大海が否定する間もなく、市松はべらべらと喋っていく。
「いやー、それにしても安心した。虎之助ってさ、女遊びはしても結局最後は孫ー、孫ーってうるさいから、俺はてっきり虎之助は年下の男しか愛せない性癖なのかと心配してたんだ。ったく、孫六の方が俺よりよっぽどしっかりしてるのに、過保護だよな?」