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アペリチーフをご馳走に。
第1章 アペリチーフをご馳走に。
「──じゃねーばいばーい。部活頑張ってー」

「うん、ありがとー。また明日ー」

放課後、梨子は仲の良いクラスメイトと別れいつものように部活動に向かった。

『はあ…』

ただ朝のこともあり、新谷と顔を合わせるのも何となく気が引ける。それはもちろん、痴漢に遭っていたのを見られたからとかそういうことではない。そんな目に遭ったにも関わらず、優しくして貰ったにも関わらず──それ以上に恥ずかしいことを望み、感じてしまったからだ。

『私…こんなにえっちなコだったんだ…』

嫌悪も羞恥も、全てが甘酸っぱい快感に変わり体を、頭の中をいっぱいに染めていってしまう。もっと早く手を打てばこんなことにはならなかったかもしれないのに、と後悔しながらも、今は梨子の中に潜む“女”の部分がそれを許そうとしない。

既に初体験を済ませたとおおっぴらに言うクラスメイトも居たが、梨子の性格上そういう性の話題を友人間に持ち出すことも出来ず──体内にこもったままの熱は発散されないまま、内にある果実を侵しその実を融解させ始めていた。

『…でも今日の先生、…ちょっと怖かったけど、……カッコ良かったな』

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