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アペリチーフをご馳走に。
第1章 アペリチーフをご馳走に。
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「──ただいまー」
「お帰り、梨子。あ、またジャージで帰ってきて!制服ぐしゃぐしゃにしてない?早くハンガーに掛けて、あ、それからご飯の前にお風呂入っちゃって。あと水着、洗濯機のところにちゃんと出しておくのよ」
「はーい。毎日言わなくても、もう分かってるよ」
梨子が部活を終えて帰宅すると、真っ先に迎えてくれるのは日課となっている母親のお小言と慣れた夕食の匂いだった。文句を言いながらも自室で制服を片付けすぐに脱衣場に向かう。
そしてタオルや水着を母指定の場所に置き、ジャージとキャミソールを脱ぎ下着姿になった梨子は──先程の新谷との会話を思い出しながら、おそるおそるブラジャーに手を掛けた。
「ん…っ」
僅かな刺激に体が震え声がもれる。ブラの圧迫から解放された乳房の先端は、大した刺激も与えていないのに濃いピンク色をして上ずっていた。
『恥ずかしい…なんでこんなになっちゃったんだろう…。こんなの…恥ずかしくて先生の前に居られない…』
鏡を見れば、恥ずかしいと思いながらも何かを期待するようなとろけた自分の顔と、ちょこんと勃起したその恥ずかしい乳首。
──それは去年、高校に入学して一年目のこと。
梨子が通うのは電車とバス、徒歩を合わせて一時間以上かかる有名進学校だったのだが──梅雨の時期頃から、梨子はその通学時間の大半を占める電車の中で毎日のように痴漢に遭うようになった。