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紅蓮の月~ゆめや~
第9章 第三話 【流星】 プロローグ
 美都はその声に誘われるように顔を上げた。反射的に振り向いたその眼に映じたのは、一人の美しい女性だった。紫地の着物に錆朱色の帯をきりりと閉め、艶やかな髪を一つにまとめている。
―まさか、二十年前にこの店にいたあの女(ひと)? 美都の身体中の肌が粟立った。寒い季節でもないのに、悪寒を感じたように思えた。
「あの―」
 そのことを問おうとしたけれど、怖くて訊けなかった。美都は混乱状態の頭で必死に考えた。
 そう、この女性は二十年前に見かけたあの美しい女主人の娘か何か―血縁に当たるひとに違いない。だから、同一人物かと錯覚するほど酷似しているのだ。何しろ、美都の記憶は二十年も前のものだし、当時五歳の幼児にすぎない。しかも、この店の主人を見たのもほんの一瞬、数えるほどの回数なのだ。そんな曖昧な記憶は当てにならない。
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