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紅蓮の月~ゆめや~
第9章 第三話 【流星】 プロローグ
肩にふわりとした感触があり、美都は愕いて女主人を見た。女主人の手によって、あの袿が今、美都の肩にかけられている―。
ふいに、美都の心に不思議な変化が起きた。まるで懐かしいような、泣きたいような郷愁。やっとふるさとに帰ったときのような気持ち。美都がこの小さな町を思い出すときの想いにも似た感情だった。
この気持ちは何だろう。袿を身にまとった途端、言いようもない感情が美都を襲った。
と、刹那、美都は妙な感覚を憶えた。