この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
紅蓮の月~ゆめや~
第11章 第三話 【流星】 二
「あの後、殿は町小路の女の許で夜を過ごされたのですね」
美耶子は自分に言い聞かせるように呟いた。
その時、部屋の几帳をかき分けるようにして、乳母が入ってきた。
「姫様、朝餉を持って参りしたよ」
美耶子が乳飲み子の頃から傍近く仕えてきた乳母は、いまだに美耶子を幼いときのままに「姫様」と呼ぶ。
美耶子の前に膳を並べながら、乳母がちらりと女房を見た。
「いつまでも詰まらない噂話などするものではありませんよ。女房たちの間だけの他愛もない噂話なともかく、姫様にまでくだらない話をお聞かせして、考えのないのにもほどがあります」
美耶子は自分に言い聞かせるように呟いた。
その時、部屋の几帳をかき分けるようにして、乳母が入ってきた。
「姫様、朝餉を持って参りしたよ」
美耶子が乳飲み子の頃から傍近く仕えてきた乳母は、いまだに美耶子を幼いときのままに「姫様」と呼ぶ。
美耶子の前に膳を並べながら、乳母がちらりと女房を見た。
「いつまでも詰まらない噂話などするものではありませんよ。女房たちの間だけの他愛もない噂話なともかく、姫様にまでくだらない話をお聞かせして、考えのないのにもほどがあります」